ヤマト特殊鋼株式会社 eValue NS 導入事例

ヤマト特殊鋼株式会社

導入システム
eValue NS
業種
卸売業
従業員数
90名(2010年12月現在)
事業内容
特殊鋼材、機能部品、高圧配管用継手、機械加工部品などの加工・販売

統合型グループウェアにより全拠点で見るシート検索を実現 問合せへの迅速な対応でCS向上へ

自動車や建設機械、産業用機械の部品で利用される特殊鋼材の加工・販売を営むヤマト特殊鋼株式会社は、鉄鋼業界の中でもいち早くITの導入を進めたことで、さまざまなメディアに取り上げられている。2008年12月には長年運用してきた情報系システムをリプレース。統合型グループウェア『eValue NS』導入で、電子化されたミルシートのデータ共有や、申請業務の一本化など多くの導入効果を出している。

ヤマト特殊鋼株式会社:http://www.yamato-ss.co.jp/

導入の狙い

  • ハードウェアの老朽化とOSのサポート切れによるサーバーのリプレース
  • 社内情報共有をさらに進めるグループウェアツールの導入

導入効果

  • 本社・拠点の区別なくミルシートの保存、検索・印刷が可能に
  • 経費精算や勤怠管理の申請業務の一元化
  • 現場作業日報作成の環境構築
  • 全社員へのメールアカウント配付

※ミルシートとは、JIS規格の検査に合格した鋼材であることを証明する品質証明書。製造番号や寸法・質量、化学成分、機械的性質などが記載され、鉄鋼メーカーが納入する際に鋼材に添付される。

独自の社内システムなど業界に先がけてITを導入

鋼材は、大きく分けて普通鋼と特殊鋼の2種類がある。普通鋼は、主に土木建設などに利用されるのに対し、特殊鋼は、炭素、マンガン、クローム、ニッケルなどの元素の配分を調整し、用途に応じた性質を持たせた鋼材のこと。普通鋼では耐えられない厳しい環境下などで利用されている。自動車のエンジンやミッション、ベアリング、サスペンションといった機械部品のほか、金属やプラスチックを成形する金型の素材に採用されており、日本の産業に必要不可欠な存在となっている。

汎用性の高い普通鋼に対して、特殊鋼は顧客のニーズに合せて製品が作られるため、多品種少量扱いとなる点が特徴だ。同社は1947年の創業以来、営業・開発・加工・物流の各部門の機能を強化し続け実績を積み重ねてきた。自動車・電機・建築・産業用機械と、業界の垣根を越えて顧客を開拓してきた結果、現在の得意先数は500社を超えるという。「幅広い業界のお客様のリクエストに応えてきたため、現在では、あらゆるお客様のニーズに対応できる点が当社の強みとなりました」と取締役社長の藤原 久芳氏は語る。

また同社は、鉄鋼業界の中でも他社に先がけてIT化を進めている点が特長的で、これまで多くのメディアに取り上げられてきた。ブロードバンドが未整備だった時代に、いち早く自社ホームページを立ち上げたり、Eコマースを取り入れたりしていた。積極的にITを導入し、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)やメールシステム、Accessで作った独自の電子承認システムといった情報系システムを運用してきた。「当社は新しいものは何でも取り入れてみようという、とても好奇心旺盛な企業なのです」と藤原氏は語る。

取締役社長 藤原 久芳氏

取締役社長 藤原 久芳氏

総務グループサブマネージャー 越川 健一氏

総務グループサブマネージャー
越川 健一氏

サーバーのリプレースを契機に全社にグループウェアを導入

同社は以前より、Windowsサーバーでドメイン管理を行い、Microsoft ExchangeServerを社内メールとして使用していた。しかし、サーバーハードウェアの老朽化によって、次第にメール送受信のタイムラグ発生などの課題が浮かび上がってきた。加えて、サーバーのリプレースの必要に迫られたことをきっかけに同社では、情報系システムの全社的な見直しに取り組んだ。

2008年9月ごろからシステム検討を開始し、WindowsサーバーによるActive Directory(以下、AD)への移行と、統合型グループウェア『eValue NS』の導入を決定した。

選定した理由について総務グループサブマネージャー越川健一氏は、「個々に運用していた社内申請業務や文書管理、日報管理などのシステムが統合でき、なおかつWebブラウザ形式なので地方拠点にも簡易に導入できる点がポイントでした」と語る。さらに同社では以前より、ADによる社内のドメイン管理を検討しており、『eValue NS』がADとスムーズに連携し、効率よく管理できる点にも魅力を感じたという。また、申請業務や文書管理などの各システムが統合されており、サポート窓口が一本化される安心感も決め手になった。

サーバーの入れ替えと同時に導入を進め、2009年8月に本稼動を開始したが、ITに先進的に取り組む同社では、導入直後でも従業員はほとんど抵抗なく『eValue NS』を使いこなしたという。「新たなシステムにすぐに対応できる点が、当社の文化として根付いているようです。『eValue NS』の使いやすさに加え、当社の社風が導入をスムーズにしたのでしょう」と藤原氏は語る。

拠点からもミルシートの情報を参照。顧客からの問い合わせへ迅速に対応

現在同社では、インターネットVPN経由で全拠点の従業員が『eValue NS』にアクセスし、ワークフロー・ドキュメント管理・スケジューラ・Webメールを利用している。

社内申請業務は、本社のみで利用していたAccessによる電子承認システムの運用から、『eValue NS』ワークフローによる全拠点活用にあらため、経費精算や勤怠管理、ISO報告書業務に利用している。全拠点の申請が電子化したことで、申請内容に不備があった場合も、差し戻し機能を使い即座に本社と拠点で確認できるようになった。その他、新規顧客との取引開始届出もワークフローシステムによって電子化し、効率化を図っている。   ドキュメント管理は、主にISO文書とミルシート(鋼材検査証明書)を保存・管理するために活用している。ISO文書は従来、紙ベースで新規・改訂申請が行われ、さらに郵送にて各部署に新版を配付し、旧版を本社へ郵送させていた。これをドキュメント管理とワークフローを連携させ、電子承認をしてから関係部署へ配付することで、タイムラグを減らした。

同社は、以前にもミルシートの電子化を進めており、本社にスタンドアロン専用端末を設置して管理していた。しかし、ミルシートを検索・出力するには専用端末に移動し、なおかつ電源から起動までの時間もかかるなど、機動性には問題があった。拠点からの問い合わせに対しては、本社の従業員がFAXや郵送でミルシートのコピーを送るため、手間と通信コストもかかっていた。特に顧客から拠点への問い合わせの場合、従来はその対応に遅れが発生していたが、現在では瞬時に返答・対応でき顧客満足度の向上につながっている。

文書登録作業も、複合機でスキャニングすれば、自動登録ツール機能によりドキュメント管理の共有フォルダに簡単に登録できる。拠点のミルシート電子化も実現し、過去のミルシートのデータ移行についても問題なくスムーズに進み、また新規ミルシートも半年間で約2,000枚にのぼる登録が行われたという。

スケジューラは営業担当者ならびに現場作業員の日報として活用している。以前は、SFAを営業日報用に利用していたが、現場作業日報は存在していなかった。「厳しい経済環境で企業が生き残るためには、経営者が現場の状況を把握し、適切な経営判断を下す必要があります。そこで従業員全員に日報を義務付け、経営側が常に現状を把握できる仕組みを整えたのです。まだ拠点による浸透度にバラつきが見られますが、均一化してさらに徹底させていきたいです」と藤原氏はコミュニケーション強化の意気込みを語る。

こうした業務が1つのポータル画面を入口にして実現できる点が、『eValue NS』の特長で、システム管理側も、個々に運用していたシステムを一括管理できるため作業効率が向上している。エンドユーザーと管理側、双方にとって利便性の高いシステムだ。

今後、藤原氏は営業日報や作業日報から得られる情報を経営分析に役立てたいと考えている。従業員の作業予定や実績を日報で把握し、収益やコストの管理につなげていく構えだ。また、同社内に構築されている基幹系システムや会計システムと『eValue NS』を連携させて、日常業務の精度とスピードを上げることも考えている。それによって、より迅速な経営判断も可能になるだろう。

システム構成図

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記載内容は2009年12月現在のものです。

本事例の導入製品

  • eValue NS ドキュメント管理
  • eValue NS ワークフロー
  • eValue NS スケジューラ
  • eValue NS コミュニケーション
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